書籍情報
書籍名 | 「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める! |
著者 | 苫米地 英人 |
出版社 | コグニティブリサーチラボ株式会社 |
出版日 | 2014年4月14日 |
ページ数 | 179ページ |
ジャンル |
この本の結論と要点、学び
この本の結論
本書では、「頭の中がゴチャゴチャしていて整理ができていない」という状態を、怒りや嫉妬、自信のなさ、恐怖など、様々な頭のゴミを捨てることによって、自分自身ののゴールの達成や、思考能力の向上によりひらめき脳を得ることができるという内容になっています。
本書では大きく分けて7つのゴミが紹介されています。
- 「感情」というゴミ
- 「他人のモノサシ」というゴミ
- 「これまでの自分(過去)」というゴミ
- 「マイナスの自己イメージ」というゴミ
- 「我慢」というゴミ
- 「自分中心」というゴミ
- 「恐怖」というゴミ
また本書の中では、全体と部分の関係について説明し、部分が全体をつくるという考え方がスタンダードであったが、実際は全体が部分から成り立っているだけでなく、全体と部分が相互に関係しており、全体が分かることで部分が分かるということが重要であると述べています。
そして、ゴールを持つことが重要であり、常にゴールのために行動することが抽象度を上げて感情というゴミを捨てるために欠かせないことであると述べています。
この本の要点
この本で紹介される「7つのゴミ」を捨てる方法は、かんたんに説明すると以下の通りになります。
- 感情に振り回されるのはゴールがないからであり、ゴールに関係のある感情だけ許可する
- 本音にフタをせず、自分が心から望むものを求める
- 過去は未来に影響せず、本気で変わりたいという気持ちが大事
- ネガティブな自己対話をやめ、ポジティブな自己対話に変える
- やりたくないことは、思い切ってやめてみる
- 新しいコンフォートゾーンを作り出し、自分のゴールに対して支援をしてくれる人を増やす
- 現代に恐怖は必要なく、もし恐怖を感じたらその原因を消すための行動をする
この本の細かい解説
ゴール=なりたい自分を定める
自分が心から望むゴールを設定するためには、「自分」というものについて考え、現在の自分とは何かを理解する必要があります。
しかし、自分というものを説明することは簡単ではありません。
私たちは、自分に関する情報を相手に与えることができますが、それらは自分という存在そのものの情報ではありません。
会社や資格、住所や趣味など、自分以外の人や組織や場所や物体に関する情報です。
自分というものを理解するためには、自分自身を客観的に見ることが必要です。
自分がどのような人間であるか、どのような価値観を持っているか、どのような強みや弱みを持っているかを知ることが重要です。
そして自分がどんなことをすれば、他人が喜ぶだろうという視点で考えることも大切です。
自分自身を客観的に 見ることができるようになると、自分が本当に望むゴールを設定することができます。
本当に自分が望むゴールを設定することができれば、そのゴールと関係のない感情に左右されることもなく、本音にフタをすることもなく、他人のモノサシで自分を制限することもなくなります。
そして本当に自分がやりたいことと向き合うことによって、集中力や生産性、能力が上がるようになります。
ホメオタシスと臨場感
ホメオタシスとは、生物が内部環境を一定に保つために働く自己調整機能のことです。
例えば、体温や血糖値、血圧などが一定の範囲内に保たれるように、身体の様々な機能が調整されています。
このような自己調整機能は、生物が外部環境の変化に対応するために必要不可欠なものであり、生命維持に欠かせないものです。
そして、ホメオスタシスは人間の行動にも影響を与えます。
例えば、「自分は人見知りで初対面の人が苦手だ」と考えている人は、初対面の人を前にすると緊張してしまいます。
それも、「自分は人見知り」という情報に対するホメオスタシスです。
また、「オレはモテる!」と思い込んでいる男性は、好みの女性を見つけると声をかけずにはいられません。
それも、「オレはモテる!」という情報に対するホメオスタシスです。
つまり、このホメオスタシスの働きを逆に利用することで、自分自身を変えることができる可能性があるとも示唆されています。
そして、臨場感とは端的に言えば「リアル感」です。
自分の本当に望むゴールをより臨場感高くイメージすることで、自分自身のホメオタシスが働き、自分自身のゴールに近づくと同時に、頭の中のゴミはほとんどなくすことができます。
ゲシュタルト能力
「ゲシュタルト能力」とは、ドイツ語で「全体像」という意味を持つ「ゲシュタルト」という言葉に、能力や力という意味を加えたものです。
この言葉は、人間が持つ認知能力の一つであり、物事を全体として捉える能力を指します。
そして、ゲシュタルト能力が人間にしかありません。
犬や猫は、昨日と違う皿で違うエサを出されても、ちゃんとエサだと認識できますが、それはエサのゲシュタルトができているからです。
つまり、犬や猫 は、その瞬間の情報を元に、エサという全体像を捉えることができます。
しかし、犬や猫は、そのエサの全体像を拡張して、新しい発想を生み出すことはできません。
それに対して、人間は、クルマのゲシュタルトをつくり、ワイン のゲシュタルトをつくり、ビジネスのゲシュタルトをつくることができます。
つまり、人間は、物事を全体として捉え、それを拡張して新しい発想を生み出すことができるのです。
このゲシュタルトを拡張させるためには、抽象度を上げて、知識を増やすことが重要です。
またゲシュタルトを拡張させ、抽象度を高めることで、ゲシュタルトとゲシュタルトをあわせた、新しいゲシュタルトも作り出すことができるようになります。
まとめ
本書で書かれている内容を総じてまとめると以下のようになります。
- 自分が本当に望むゴールを設定する
- ゴールを設定し、余計なゴミを捨てる
- よりリアルに自分のゴールをイメージすることが大事
著者が認知科学者ということもあり、脳の認知機能の専門用語を交えながら説明がされています。
ものすごく簡単な言葉でまとめてしまうと、「強い思い込み」は人に影響するから、ポジティブ思考になれってことだと思うのですが、
なかなか「自分が本当に望んでいること」を見つけられる人も、多くないんじゃないかなと思いました。