書籍情報
| 書籍名 | USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 - 成功を引き寄せるマーケティング入門 |
| 著者 | 森岡 毅 |
| 出版社 | KADOKAWA |
| 出版日 | 2016年4月23日 |
| ページ数 | 264ページ |
| ジャンル |
この本の結論と要点
この本の結論
本書の結論は、マーケティングを成功させるためには「消費者視点」を貫き続ける、ということです。
そのためには、自社を取り巻くビジネス環境を理解することが不可欠であるということです。
しかしながら「消費者視点」を貫き続けることは非常に難しく、提供するサービスや商品に日常的に触れ続ける作り手側は、無意識のうちに作り手側が好む玄人向けのものこそが良いものだと錯覚してしまいます。
このポイントを回避するためには5C分析という一般的な戦況分析の視点を用いて、自社の全体戦略、使える 経営資源、自社の能力や特徴を把握することが必要です。
また、著者である森岡さんは自身の経験や知識を元に、マーケティングの本を書くことで、マーケティングに関心を持つ人を増やしたいという趣旨を持っています。
本書の中でも、森岡さんはは自身の経験や知識を元に、これからマーケティングを学びたい人や、現在マーケティングの職務に従事している方に向けて、キャリアプランの作り方などについても言及しています。
具体的には以下のような提案が紹介されていました。
- 強みを活かす
- 会社で選ぶのではなく「職能」で選ぶ
- 玉数を知った上で、好きな台に座ること
文章前半のマーケティングの話や、後半のマーケターにおけるキャリア形成の話も、一貫して合理的な判断（＝ロジカルシンキング）がベースとなっており、その合理的な判断を実行していくためのアドバイスも本書では紹介されています。
本書の要点
本書の要点を大きく5つにまとめると以下の通りです。
- 仕事の選択には、最も重要な1つと、かなり重要な2つを選び、その3点に集中することが大切
- 一般的な戦況分析の視点である「5C分析」は、自社をとりまくビジネス環境を理解するために、自社・消費者・流通などの中間顧客・競合・地域社会の5つの領域に着目することが重要
- 自社の理解には、自社の全体戦略、使える経営資源、自社の能力や性格としての特徴を把握することが必要
- 弱点を克服するためには、自分の強みをテコにすることが重要
- 人の行動はなかなか変わらないが、キャリアの目的に対して、どうしても達成したいというモティベーションがあれば、実行につながる
この本の細かい解説
素晴らしい戦略は相手と自分の差を利用する
良い戦略を立てるためには、まず重要な経営資源である「情報」をきっちりと獲得することです。
市場、消費者、競合などをよく分析し、自社の強みを持たせるような経営資源の集中を考えていく必要があります。
その際に、できるだけ自社の特徴と主だった競合の特徴を比べてみて、その差をうまく利用する戦略があり得ないか、自身の思考に加重をかけて、よく考えてみることが大切です。
美しい戦略というのは、相手と自分の特徴の差を、 自身に有利になるように活用できているものです。
相手が大軍であったとしても、大軍である強みの裏に必ずある弱点（統率が難しい、速度が遅い、補給が難しい、油断しがちである）を突くための戦略を立てるのです。
物事には必ず二面性があり、強みの裏側には必ず弱みがあります。
このポイントは競合との差異化を図ることができるという点で非常に重要で、自社の強みを活かすことで、競合との差を明確にし、自社の存在感を高めることができます。
5C分析でビジネス環境を理解する
上述の「素晴らしい戦略」を立てるためには、自社がどのような環境にあるかを把握することは非常に重要です。
その中で5C分析というフレームワークは、自社を取り巻くビジネス環境を理解するために非常に有用です。
- 顧客 (Consumer)
- 競合 (Competitor)
- 中間顧客 (Channel)
- 自社 (Company)
- 地域社会 (Community)
これらの頭文字をとって5C分析と呼ばれます。
顧客 (Consumer)は自社の存在意義を決定する最も重要な要素です。
顧客のニーズや要望を理解することは、自社のビジネス戦略を策定する上で非常に重要です。
顧客のニーズや要望を把握するためには、市場調査や顧客アンケートなどの手法 を用いることが一般的です。
競合 (Competitor)は自社が直面する最も厳しい課題の一つです。
競合がどのような戦略をとっているかを理解することは、自社のビジネス戦略を策定する上で非常に重要です。
競合分析を行うことで、自社の強みや弱みを把握することができます。
中間顧客 (Channel)は、自社と顧客の間に位置する企業です。
例えば、小売店や卸売業者などが該当します。
中間顧客のニーズや要望を理解することは、自社のビジネス戦略を策定する上で非常に重要です。
中間顧客との良好な関係を築くことで、自社のビジネスを拡大することができます。
自社 (Company)は、自身のビジネス戦略を策定する上で最も重要な要素です。
自社のビジネス戦略を理解することは、自社がどのようなビジネスを展開しているかを把握する上で非常に重要です。
自社のビジネス戦略を見直すことで、自社のビジネスを拡大することができます。
地域社会 (Community)は、自社が存在する地域の社会全体を指します。
地域社会のニーズや要望を理解することは、自社のビジネス戦略を策定する上で非常に重要です。
地域社会との良好な関係を築くことで、自社のビジネスを拡大することがで きます。
キャリア形成のための「自分の強みを知る方法」
自分の強みを知るには、他人との比較ではなく、自分自身の中の相対的な好き・嫌い、あるいは得意・不得意の比較から導き出すことが大切です。
自分に合ったキャリアを選択するためには、自分自身をしっかりと分析することが必要です。
自分自身を分析するためには、まず自分が何を得意としているか、何が好きであるかを考えることが重要です。
自分が得意とすることは、自分自身が自信を持って取り組めることであり、その分野での成果を出しやすくなります。
更に、その分野でのモチベーションを高く保つことができ、長期的に取り組める可能性が高くなります。
自分自身を分析するためには、自己分析のツールとして、SWOT分析が有効です。
SWOT分析とは、自分自身の強み・弱み、機会・脅威を分析することで、自分自身のキャリア形成に役立てることができます。
自分自身の強み・弱みを把握することで、自分自身がどのような分野で活躍できるかを見出すことができます。
また、機会・脅威を把握することで、自分自身がどのような環境で活躍できるかを見出すことができます。
SWOT分析のように自分自身だけでできる方法の他に、他人からフィードバックを受けることも重要です。
自分自身では気づかない強み・弱みを指摘してもらうことで、自分自身のキャリア形成に役立てることができます。
また、他人からのフィードバックを受け取ることで、自分自身のコミュニケーション能力を高めることができます。
そしいて、自分自身の経験を振り返ることも重要です。
自分自身がどのような経験をしてきたかを振り返ることで、自分自身が得意とすることや好きなことを見出すことができ、どのような環境で活躍できるかを見出すこともできます。
まとめ
「現代最強のマーケター」とも謳われる森岡さんの著書だったので、手にとってみました。
本書は、マーケティングのことを殆ど知らない方にとっても非常にわかりやすく、マーケティングの基礎知識を身につけることができると思います。
また、著者である森岡さん自身の経験を交えて書かれているため、実践的なアドバイスも多く含まれており、自分自身の状況に合わせて行動することができる点も魅力的だと思いました。
そして毎日のトレーニングを通じて、自分自身の戦略性を高めることができるというアイデアには、非常に興味を持ちました。
目標を設定し、それを達成するための具体的なアクションプランを立てることで、自分自身の成長につながると感じました。