【まとめ】トヨタ リーダー1年目の教科書

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書籍情報

書籍名トヨタ リーダー1年目の教科書
著者(株)OJTソリューションズ
出版社KADOKAWA
出版日2022年11月24日
ページ数232ページ
ジャンル
  • キャリア形成
  • スキルアップ
  • マネージメント
  • この本の結論と要点、学び

    この本の結論

    トヨタでは、昇進前に実施されるリーダー研修を経て、「リーダーとしての適性が認められた者だけが昇進できる」という制度があるほど「リーダーの重要性」が高いことが分かります。

    そして本書では、トヨタ流の「リーダーに求められる3つの技能」が紹介されています。

    • TJI(Toyota Job Instruction - 仕事の教え方の技能)
    • TPS(Toyota Production System - 標準作業と改善の技能)
    • TCS(Toyota Communication Skill - 明るい職場づくりの技能)

    このような技能を元に、いかに生産性の高いチーム・組織をつくっていくか、ということについて事細かにを解説がされています。

    大きな結論としては、メンバーとリーダーの信頼関係づくりが重要で、その信頼関係を元に仕事を効率よく教え、時には現場の様子も見ながら、メンバーとリーダーが相互に尊敬し合えることが重要だということです。

    この本の要点

    この本の要点を5つにまとめると以下の通りです。

    1. リーダーに求められる3つの技能は「明るい職場づくり」「標準作業と改善」「仕事の教え方」
    2. 教える方法には6つの方法がある。言って聞かせる、書いたものを見せる、やってみせる、やらせてみる、書いて見せる、言わせてみる・聞いてみる
    3. 目的と手段をはっきりさせることが重要である。メンバーからの発言を引き出すためには、目的と手段を明確にする必要
    4. 座学で知識を得た上で、ビデオを見て改善点を見つけ、それ を現場に反映することで、改善につなげることができる
    5. 質問に対しては、積極的に答えることが重要である。質問に来る人は、興味があるからこそ質問している。その興味を引き出すために 、質問に対して積極的に答え、ほめることが大切

    感想

    この本を読んで、私は自分自身が持っている人間力について考えさせられました。

    現代社会では、正解が見出しづらく、環境が変化し続けているため、幅広い人たちと協働するための人間力が必要だということが述べられています。

    そして、その人間力を身につけるためには、トヨタで綿々と行われてきた「めんどう見」が重要だということが語られています。

    私は、この「めんどう見」という言葉に深く共感しました。

    私自身も、相手のことを第一に思って、相手にとってどうすれば良いかを考え、行動することが大切だと思っています。

    しかし、本書を読んで、私が「めんどう見」を実践する際に、相手にとって本当に必要なことを考えているのか、また、相手にとって本当に良いことをしているのか、ということを改めて考えさせられました。

    また、この文章を読んで、私はトヨタの社員が「武者修行」に出るプログラムについても興味を持ちました。

    トヨタは、社員にTCS(Toyota Communication Skills)を習得させ、その姿勢を通じて「この人と一緒に仕事をしたい」と思われるような人間力を身につけさせるために、社外に出向させるのです。

    私は、このようなプログラムが、社員の成長につながると思います。社外での経験を通じて、自分自身の視野を広げ、新しいアイデアや考え方を取り入れることができるからです。

    この文章を読んで、私は自分自身が持っている人間力について改めて考えることができました。

    私は、相手にとって本当に必要なことを考え、行動することが大切だと思います。

    また、自分自身の視野を広げるために、新しい経験を積むことが必要だと感じました。私は、今後も「めんどう見」を実践し、自分自身を成長させていきたいと思います。

    この本の細かい解説

    トヨタ流の「教え方」

    トヨタ流の教え方として6つの方法が紹介されています。

    • 言って聞かせる
    • 書いたものを見せる
    • やってみせる
    • やらせてみる
    • 書いて見せる
    • 言わせてみる・聞いてみる

    最初のステップである「言って聞かせる」は、その名の通り仕事内容を言葉で伝えることで、メンバーに覚えてもらう方法です。

    大きな声ではっきりと話すことが重要であり、特に重要なポイントや間違いやすいポイントは、ゆっくり話したり、言い換えを使ったりして、理解できているかどうかを確認しながら進めます。

    この方法は、最も基本的な教え方であり、多くの場合、他の教え方と組み合わせて使われます。

    例えば、最初に言って聞かせてから、その後に書いたものを見せたり、やってみせたり、やらせてみたりすることで、より効果的な教育 ができます。

    この方法を使う際には、話す内容を事前に準備しておくことが重要です。

    また、メンバーの理解度や知識に合わせて、専門用語や略字、英語の表記が適切であるかを留意する必要があります。さらに、反応を見ながら進めることで、 メンバーが理解できているかどうかを確認することができます。

    この方法は、簡単であるため、初めて仕事を覚える人には適しています。

    しかし、言葉だけで説明することが難しい作業もあるため、他の教え方と組み合わせて使うことが重要です。

    また、言葉だけで説明する場合、メンバーが理解 できない場合があるため、他の教え方と組み合わせることで、より効果的な教育ができます。

     

    2つめの「書いたものを見せる」という教え方は、口頭での説明だけでは伝えきれない内容を、図やイラストを使って視覚的に伝えることができます。

    また、メンバーの知識や理解度に合わせて、専門用語や略字、英語の表記が適切であるか留意することが重要です。

    この教え方のメリットは、以下のようになります。

    • 視覚的に理解しやすい
    • 知識や理解度に合わせて調整できる
    • 正しい手順を理解しやすくなる
    • メンバーが自分で確認できる
    • 時間を節約できる

     

    またリーダー自ら「仕事ぶりを見に行く」ことで、現場でのスキルアップや、自信や責任感をもって作業ができるようにフ ォローすることができます。

    この方法の目的はメンバーが自分で仕事を行うことができるようになることです。

    そのためには、教えたことを実践することが必要です。

    教える側は、メンバーが実際に仕事を行っている現場に足を運び、作業手順や動作を守っ ているか、つくったものがきちんと仕上がっているかを確認する必要があります。

    また、習熟度が上がっていくにつれて、見に行く回数を徐々に減らしていきます。

    最終的には、メンバーが作業を一人で行えるようになり、確認に行く必要がなくなるまでになったところで、「教える」というプロセスが終わります。

    メンバーとの信頼関係づくり

    メンバーとの信頼関係づくりのためには、メンバーの能力や経験に合わせて、適切な難易度の作業を選ぶことが重要です。

    あまりにも難しい作業をやらせると、メンバーが挫折してしまう可能性があります。逆に、あまりにも簡単な作業をや らせると、メンバーが退屈してしまう可能性があります。

    そして、メンバーに十分なフォローをすることが必要です。

    メンバーが作業を行っている間に、隣に立って見守り、必要に応じてアドバイスをすることが大切です。

    また、作業が終わった後には、メンバーと一 緒に振り返りを行い、改善点や次に取り組むべき課題を共有することが重要です。

    さらにメンバーをほめたり、競わせたり、任せたりすることで、信頼関係を築き、成長を促すことができることが強調されています。

    このようにまずリーダー自身が自分自身のコミュニケーションのあり方を変えることが必要であると説明されています。

    リーダーがメンバーをコントロールするのではなく、まずはリーダー自身が、メンバーに対する接し方や働きかけ方を変えることが重要であるとされています。

    また、リーダー自身が変わることで、メンバーの意識も変わっていくということも強調されています。

    さらに、トヨタには、「人との関係を良くするための基本心得」という人間関係の原則があります。

    • 仕事ぶりが良いか当人に伝える
    • 良いときはほめる
    • 当人に影響ある変更は前もって知らせる
    • 当人の力をいっぱい に活かす

    このようにリーダーとメンバーのコミュニケーションを活性化させることによって、メンバーはリーダーを信頼し、より効果的なチームづくりができるようになります。

    まとめ

    本書では、メンバーを教育するためには、単に説明するだけではなく、6つの方法を組み合わせて教える必要があること、そして、メンバーが自律的に成長するためには、リーダーが答えを言わずに、メンバー自身が課題を解決することが必要だと紹介されています。

    リーダーは、メンバーが困っているところを探り当て、仮説を立て、プロセスを分解し、質問していくことで、メンバーが自分の足りない点を自覚し、アドバイスを元に自分で課題を解決することができるようになります。

    これにより、メンバーは自ら課題を成し遂げた成功体験を得ることができ、自律的に成長することができます。

    最後に、リーダーは、メンバーをほめることで信頼し合える人間関係をつくり出しその信頼をベースにして叱ることができるようになること、競わせることや任せることでメンバーに成長への期待を背負わせることが重要だと感じました。