【まとめ】マーケターのように生きろ – 「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動

本記事の要点や結論は、あくまで記事執筆者が感じたものです。この本に関する正確な情報ではない可能性があります。詳しくはサイト利用規約をご確認ください。

書籍情報

書籍名マーケターのように生きろ - 「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動
著者井上 大輔
出版社東洋経済新報社
出版日2021年2月19日
ページ数290ページ
ジャンル
  • キャリア形成
  • スキルアップ
  • マーケティング
  • 自己啓発
  • この本の結論と要点、学び

    この本の結論

    相手を知り、相手と対話をしながらコンテンツをつくりあげていくというマーケティングを起点とした考え方・心の持ち方が重要であるということです。

    本の中で、著者は自身の経験を通じて、マーケティングにおける調査方法や記事作成の手法について説明していますが、それらの具体的な方法論よりも、相手を知ることの重要性が強調されています。

    著者は、マーケティングとは顧客を知り、その期待に応えるための無数のやり方を、世界中の企業が何十年にもわたって試行錯誤した実証実験の積み重ねであると述べています。

    そして、そのためには相手を知り、相手と対話をしながらコンテンツをつくりあげていくことが必要であると主張しています。

    著者は、自身の経験を通じて、簡易なインターネット調査やツイッターを使った調査など、手軽な方法で相手を知ることができると説明しています。

    そしてノーベル文学賞作家のアーネスト・へミングウェイの言葉「真実の一文から始める」という言葉を引用し、「真実の一人の顧客」から、「その人の役に立ちたい」「困りごとを解決してあげたい」という人間としての素直な感情からはじめていくことが重要だと述べています。

    この本の要点

    この本の要点を4つにまとめると以下の通りです。

    1. マーケティングは相手を知り、相手の期待に応えることが重要
    2. 記事を広く伝えるためには、簡易なインターネット調査やツイッターを使った調査が有効である。反応の良し悪しを比較することで、需要を確認できる。
    3. マーケティングは実証実験の積み重ねであり、無数のやり方が存在するため、仮説を立て、検証することが必要
    4. 「真実の一人の顧客」から始める

    感想

    顧客を知り、その期待に応えるための無数のやり方を、世界中の企業が何十年にもわたって試行錯誤した実証実験の積み 重ねである、というマーケティング的な視点から自分の価値をどのように見い出せば良いのか、という内容の自己啓発 & キャリア形成の指南書という印象でした。

    特に実証実験を通じて得られたノウハウではなく、相手からスタートし、相手と対話をしながらコンテンツをつくりあげていくという考え方・心の持ち方が重要であるということが強 調されていました。

    また、情報収集のやり方についてもかなり詳細に説明されており、特にツイッターを用いた仮説検証などは興味深いと思いました。

    さらに、この文章を読んで、自分自身のビジネスにおけるコンテンツ作成についても考えさせられました。

    相手からスタートし、相手と対話をしながらコンテンツをつくりあげていくという考え方は、私が今までやってきたこととは 異なります。

    しかし、この考え方を取り入れることで、より多くの人に共感してもらえるコンテンツを作成することができるということがわかりました。

    最後に、この本を読んで、私は自分自身のビジネスにおける考え方や心の持ち方を改めることが必要だと感じました。

    私は今まで、自分がやりたいことを追求することが重要だと考えていました。

    しかし、相手 からスタートし、相手と対話をしながらコンテンツをつくりあげていくという考え方が重要であることを学びました。

    この本の細かい解説

    SNSで自身のコンテンツを発信する

    著者はSNSは「自分の価値をつくる」最高の練習場だと述べています。

    ツイッターやnoteを通じて、自分自身のコンテンツを発信することで、市場にどんなことが期待されているのか、どんなものが需要があるのかを推し量ることができます。

    はじめに、自分自身のコンテンツを広く伝えるためには、まずはコンテンツ自体のクオリティを高めることが重要であることが示唆されています。

    例えばnoteの記事であれば、記事が読み手にとって価値のあるものであれば、自然と読者が増え、広く伝わることになるという ことです。

    また、SNSを活用することも重要であることが示唆されています。

    SNSは、自分のフォロワーに対して簡単に情報を発信することができるため、記事を広く伝えるためには有効な手段となります。

    そして簡易なインターネット調査を実施することです。

    この調査は、コンセプトシートを複数案用意して、それぞれについて反応を見るというものです。

    また、ツイッターを使った調査も手軽でよく活用されます。文章を140文字に縮め、投稿して反応を見ます 。

    調査の相手は自分のフォロワーなので、自分が何者かを説明する文章は省けます。

    反応の良し悪しは、普段の投稿への反応と比較することで把握できます。

    ツイッターにはアンケート機能もあり、アンケート機能を使ってテーマを比較することもできます。

    このような調査を実施することで、確かな需要を確認することができ 、コンテンツの作成にとりかかることができます。

    誰もが自分のコンテンツの『商品開発担当者』

    また著者はソーシャルメディアで情報発信するときは、「誰もが自分のコンテンツの『商品開発担当者』」と述べています。

    そんな前提に立って、自分のコンテンツの『価値をつくりだす』をどう実践していくかについて詳しく述べられています。

    この本で以下の「市場の定義」「価値の定義」を例に、具体的な価値のつくりだしかたについて説明がされています。

    • 市場の定義:30代くらいまでの若手のビジネスパーソン
    • 価値の定義:幅広いビジネスに役立つ基礎体力が身につく & ノットイコール上昇志向という価値観に共感する

    重要なことは上記の例のように、市場および価値の定義を意識することです。

    なぜなら自分が発信する情報が、相手にとって価値のあるものであるためには、相手を決めて、その相手が求めているものに合わせて、提供する価値を設定することが必要であるためです。

    また、機能的な価値に加え、情緒的な価値も提供することを意識することも重要です。

    つまり、情報発信する際には、相手が求めている情報だけでなく、その情報を提供することで相手が感じる感情や印象にも配慮することが必要です。

     

    また、「ニュースの供給源になること」も重要です。

    このポイントは、常に何か新しいことに挑戦し続けている人が、ニュースの供給源になりやすい存在であるということを示しています。

    ニュースは「ニュー」スなので、「新しい」チャレンジであるという点が重要です。

    本書では商品開発の過程をツイッターで実況中継している「Mr. CHEESECAKE(ミスチ)」を例に挙げています。

    ミスチでは定番のラインナップに加え、季節限定のフレーバーを定期的に投入することで、ファンにニュースを提供し続けています。

    このように常に新しい情報を提供し続ける=繰り返し伝えることで、多くの人に「覚えてもらう」ことができると述べています。

     

    また別の視点として「共通の知人を増やす」ことも重要だと述べられています。

    共通の知人を増やすことは「人前で話す」ための最も効率的な手段であり、自分の存在をアピールする絶好の機会です。

    「ニュースの供給源になる」「共通の知人を増やす」この2つが、自分の価値を伝えるための効果的な方法とのことです。

    まとめ

    本書では大きく4つのステップで構成されています。

    • 市場を定義する
    • 価値を定義する
    • 価値をつくりだす
    • 価値を伝える

    「マーケター」という単語を聞くと、私自身は「TVCMや広告を扱ってるイキった社会人」「SNS上の怪しいビジネス」みたいな印象を受けてしまうのですが、

    前半の「市場の定義」「価値の定義」のパートでは、マーケティングの理論的な部分をもとに「こう考えるべきだ」というマインドチェンジ的な内容で、

    後半の「価値をつくりだす」「価値を伝える」のパートでは、マーケティングの泥臭いPDCA的な内容で、

    いずれも「マーケター」という言葉の偏見にカスるようなこともなく、しっかりとしたビジネス書という印象でした。

    ツイッターのアンケート機能はややハードルが高そうですが、noteであれば匿名でもでき、反応も見やすいので今すぐにでもできることが多く書いてあり、非常に実践的な本だと思います。